検索
  • 篠原肛門科

ジオン (ALTA)

現在私の所では、年間20数名の再手術 (他の施設でジオン注射または根本手術を行った患者さんが、納得がいかなくて、また調子が悪くて術後近々にもう一度手術が必要と思われる場合) を行っています。この状態は以前からずっと続いています。そこで、今回は最近いろいろな施設で行われるようになったジオン注射(手術ではない)を中心に、現在の思いを述べたいと思います。 まだ私はジオン注射を使ったことがありません。発売当初の触れ込みは、いま痔核の手術では最良と言われている結紮切除術に代わる画期的な治療方法であるとのことでした。当初発売元のMRさんにジオン注射の治療後の写真をぜひ見せてほしいと頼んだのですが、いつまでたってもなかなか手元には届きませんでした。 しばらくすると、ジオン注射をされてうまくいかなかった患者さんが来院されるようになりました。まだまだ最初は、先生方も戸惑いがあり、思い切って自信を持って注射をされてはいなかったのでしょうか。注射後も立派な痔核をもたれている方が来院されました。期待していた治り方ではなかったので、それを先生に訴えると、<これで綺麗に治っていますよ>とか、<皆さんこれで満足されていますよ>とも言われたとか、不満を持ってこられた方がほとんどでした。一度の注射でない方の不満は非常に強く感じました。これでは私もジオンを簡単に注射できないなと思い始めました。 発売当初から今だにそういう方が来られています。 肛門がどのような形になると治ったと言えるのかは先生の経験や知識や好みにもよると思います。しかし、医学的に治ったと判断されたとしても患者さんが不満で気になって仕方がなければ、当然その訴えには耳を傾けなくてはならないと感じます。もちろん来院されたすべての患者さんには手術を勧め、結紮切除法で手術を行いました。 とにかく、注射ですべての痔核が綺麗に治るものではないと考えています。とりわけ内痔核だけでなく外痔核もあるような患者さんにはその一部が残り、それがまた気になり再発の原因になると思います。私のところに来られる患者さんの中でも、病歴の長いほとんどの方に外痔核があります。だから、患者さんの納得いくような満足な治療には、手術が一番だと思っています。仕事もしながら長く悩まれていた大きな痔核を完璧に治すことは私には困難です。 最近のいろいろな話を聞きますと、特にその点が問題らしく、手術とジオンを併用し、注射の後にしばらく経ってから手術をする先生もおられると聞きました。それならば最初から手術をするほうがいいと思うのです。今後、再発の問題や、数年後の治療成績や他の問題点が多角的に研究され、また実績を積まれた先生方が改良や新しい試みをされ、私も納得できるようになれば考えも変わるかもしれません。とはいえ、やはり当分の間は注射ではなく、手術で綺麗に治したいと強く思っています。

4回の閲覧

大阪市 北区 天神橋筋六丁目 篠原肛門科